2014年8月25日月曜日

ポータルサイトを作りたいのですが・・・というお問い合せについて

新規問い合わせクライアント様とのやりとりです。

「初めまして、私は◎◎業界で働いていますが、この◎◎に関してのポータルサイトを作りたいと思っています。
御社が制作された、伊那谷物件webとか、京橋タウンガイドみんなで作るweb図鑑のようなサイトを見てこんなサイトが欲しいと思いました。
以前はホームページビルダーで手作りのサイトを作っていたので多少はHTMLのことはわかります。
今度はWordPressとかxoopsにて制作したいのですが、アトリエwebの森さんのサイトにすごく共感しました!ぜひお見積もりお願いします!」



このような問い合わせをよくいただきます。
うちのホームページを見てくださって、共感してくださったとのこと、本当に嬉しいですし、ありがたいです。
しかししかし・・・・本当に残念なのですがこのお問い合せは以下のようなパターンで、終了することがとても多いのです。



私「お問い合せありがとうございます。まずはお話をと思いましてお電話させていただきました」


「それはそれは、わざわざお電話ありがとうございます」


私「◎◎についてのポータルサイトということですが、どのようなサイトを想定されていますか?どこか見本のサイトがあれば教えて欲しいんですが」


「例えばこのようなサイトです」(サイトを示す)


私「ほぉほぉ・・。ということは、1つのお店に対して、写真、見出し、本文、営業案内、地図情報、こだわりポイント、などを登録していって、表紙には一覧表示が出て、地域とかでも分類されていて、おすすめポイントなどをクリックすると、そのオススメポイントがあるお店が一覧でずらーっと出てくるわけですよね。
それで、一覧から詳細をクリックすると、そのお店の詳細情報が載ってるってことですよね?」


「そうですそうです、そんな感じにしたいんです」


私「このようなサイトは、最低でも制作費6~70万円以上してしまいますが大丈夫でしょうか」(普通は100万円以上すると思いますが、出来るだけご予算内にできるよう予算から逆算して、機能を絞り込んで作るとこのくらいの価格なんです(^-^;))


「え・・・・・そんなにかかるんですねぇ・・・じゃあxoopsで自分で出来るところまで作ってデザイン部分だけお願いするとかではだめですかね・・・」


私「ちなみに・・・・このサイトで何か収益を得ることを目的にされていますか?」


「はい・・・・そうですねぇ・・・」(あまり具体的に考えていなかったようなご様子)

私「広告収入ですか?」(まさか趣味で作成するとも思えないので突っ込んで聞いてみます)


「はい・・・・・そんなかんじで・・・」(トーンダウン)


私「広告収入といってもいろんな方法がありますが、たとえば、ものすごい数の情報を集めて、ものすごい数のページビューを獲得して、Googleアドセンスとか、アフィリエイトに登録して、そこからのクリックで稼ぐとか?」(アドセンスやアフィリエイトで投資分を取り返すにはどれだけ頑張ればいいのだろうか・・・果たして可能か?)


「それも考えていましたが・・・・・」


私「それともその業界に直接営業をかけて、うちのサイトはすごくページビューがあるので、お宅の会社のバナーを掲載しませんかってやります?」


「載ってくれますかねぇ」


私「営業かなり大変だと思いますよ・・・・。
それに収益揚げるための仕組み作りも・・・・。案内リーフレットとか、企画書などはもちろん作らないといけないと思いますが、集金業務とかもろもろ。」
(そんなことまで、私から申し上げるのは大きなお世話なんだけど、ここまで聞いておかないと、プラン出ししたり見積出してそれっきり立ち消えの可能性が・・・・・・・・実際そういうことを経験済みなので僭越なのですが申し上げています。)


「そうですかぁ・・・・」



私「それとも、無料で情報を大量に掲載しておいて、ここから先の詳細情報は、有料会員だけが持てるページとか・・・そういう事業モデルでしょうか」


「そんなふうに出来たらいいですねぇ・・・」


私「それには最初に大量の情報を登録するだけの時間と苦労が待ってますけど大丈夫です?
もちろん、CSVなどでまとめておいて、一気にサーバーにアップロードすることも出来ますが、それにもそのデータを作るまでの苦労が発生します。
あとは、そこから先、有料会員につなげるための仕組み作りがものすごく大変ですが、大丈夫そうですか?」


「そんなに大変なんでしょうか?(。_。lll)」


私「はい・・・・・・。だって、ダイレクトメールとかで、"私が作った素晴らしいポータルサイトがありますよ、御社を掲載させていただきますが、どうですか"、みたいな案内が来ても、普通無視しません?
郵便が来ても、ふーんと思って捨てちゃうことが多くないですか?」


「たしかにそうですねぇ、私もいつも捨ててました(^-^;) 怪しさ満点ですもんね」


私「そこを一歩乗り越えて信用してもらい商談につなげるまでには並大抵の苦労じゃないと思いますよ。
無料掲載でも無視されてしまうのに、それをたった月額3000円でも、有料掲載にしようと思ったらものすごく大変なんです。
まずは広告やメール配信、郵便を出すのに費用がかかり、そこから先、営業に経費もかかるはずです。
あとは有料会員になってもらったら、常にユーザーが離れないように、時代の先端をいくサービスを提供し、サイトを改訂しつづけていかないと・・・・・継続するのもまた大変かと思います」

「なるほど・・・そこまで考えてなかったので・・・・・・・もうちょっと考えてからまたご連絡します」


なんだかダメ出しばかりの後ろ向きなコンサルみたいでとっても後味が悪いのですが、ポータルサイト作成の場合はどうしてもここをクリアにしておかないと、この先が続かないことが多く、
仕事が無事スタートするまでにはこのような行程が必要になります。


<ポータルサイトが出来るまで>


1)希望の仕様を出してもらう
2)それにそってサイトマップ(全体構成)を考える
3)ワイヤーフレームを作成する
4)サイトマップとワイヤーフレーム両方を出して、エンジニアに見積をとってもらう
5)そこに私のプロデュース費用、デザイン費用をのっけて、見積を作成
6)見積で不明点があったり、仕様に不備があれば上記の2~5を何度もやりなおし
7)これを元に詳しい仕様が決定⇒サイト作成開始
8)ワイヤーフレームを元にデザインを作成
9)デザインを元に、エンジニアがシステムを開発
10)出来上がったところで、テストを繰り返し、固まったところでお客様にてテスト開始
11)同時に他の部分の固定ページ(会社概要とかこのサイトについて・・とか、使い方についてのページ)の作成
12)テストを繰り返した後、システムが完成したら今度はひたすらデータ入力
13)全部校了になってやっと公開


ここまでの行程がかかるわけです。
ここで、お見積もりまでの1から6にかかる手間がものすごく大変で
webの森としては、10~20万円くらい工数をかけてしまいます。


ポータルサイトの場合、
この1から6までのどこかの段階で、計画が頓挫することがすごく多くて
今まで何度も悲しい現実に出合ってきました。


お客様の希望の仕様が、どうすれば実現可能かどうかと思って、すごく時間をかけて、いろんなシステムを調べまくったり、いろんな業者さんに問い合わせしたりして、資料を作っていたのに、
結局返信もなく、その後ナシノツブテになってしまう方もいます。
それこそ心ががっくりと折れそうになります(;>_<;)


そんなわけで、そのポータルサイトで直接利益を上げたいのではなく、
何か基本になる大きな事業を持っていて、その本体が母体となり、お客様サービスのためにポータルサイトを立ち上げるとか、
本体サイトの業務効率化のために、手作業でやっていたことをCMSに変更する
そういう場合は良いのですが、

そうではなく、このサイトだけで収益をあげようと考えている場合・・・

「実際にお店を持ったり、スタッフを雇ったりするほどの事業投資はしたくない」

「今の会社に勤めつつ、余暇をつかって上手に商売につなげていける方法はないものか」

「趣味を活かして収益につなげることができるかも」

このような場合は、申し訳ないのですがお見積もりする前にお断りさせていただいています。


せっかくwebの森のポリシーや私の仕事に共感していただき、問い合わせをしていただいた方には大変申し訳ないのですが、現実を書かせていただきました。






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